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痛くないから放置…って大丈夫?。噛み合わせの崩れは静かに進みます

歯が抜けたり欠けたりしても、痛みがないからとそのままにしてしまう方は少なくありません。しかし、歯のトラブルは初期にはほとんど痛みが出ないため、気づかないうちに“噛み合わせの崩れ”が静かに進んでしまいます。今回は、噛み合わせの崩れがどのように進行するのかをわかりやすく解説します。

歯が抜けたり欠けたりしても、痛みがないからとそのままにしてしまう方は少なくありません。しかし、歯のトラブルは初期にはほとんど痛みが出ないため、気づかないうちに“噛み合わせの崩れ”が静かに進んでしまいます。今回は、噛み合わせの崩れがどのように進行するのかをわかりやすく解説します。

■ 一次性障害とは?

噛み合わせの部分がむし歯で大きく失われたり、歯を抜いたことになれば、その時点で起こる最初の変化を “一次性障害” といいます。

この時期の変化は小さく見えますが、

・食べにくい
・見た目が悪い
・話しにくい
・感覚がおかしい

といった軽い症状が出ることがあります。しかし痛みが出ないため、放置されやすいのが特徴です。

■ 放置すると二次性障害へ(大きな問題が始まる段階)

歯を失った部分をそのままにしておくと、周囲の歯は少しずつ動き始めます。

・歯が倒れる
・伸びてくる(挺出)
・歯並びが乱れる
・隣の歯とのすき間ができる

こうした変化はゆっくり進行するため自覚しにくいですが、確実に噛み合わせ全体のバランスを崩していきます。

そしてその結果、二次性障害の最終段階として現れるのが「噛む位置(咬合位)がズレてしまう」という状態です。

■ 咬合位がズレるとどうなる?

咬合位がズレ始めると、噛み締める最終位置(咀嚼運動終末位)と、実際に噛み合っている位置(咬頭嵌合位)が一致しなくなります。

すると、

・噛みにくい
・食べにくい
・片側だけで噛む
・顎が疲れる
・何かおかしい
といった症状が現れます。

この「咬合位のズレ」は三次性障害へ移行する直前、いわば“デッドライン”です。

■ 三次性障害へ進むと…

噛み合わせのズレがさらに強くなると、

・顎関節の痛み
・噛む筋肉のこり・痛み
・歯ぎしり・食いしばりの悪化
・噛めない・飲み込みにくい

といった症状へ発展することがあります。

ここまで進むと治療はより複雑になってしまいます。

■ 結論:痛みのない「初期」に治療することがもっとも大切です

一次性障害の段階であれば、

・小さなむし歯治療
・早めの義歯・ブリッジ・インプラント
・噛み合わせの調整

など、比較的シンプルな治療で噛み合わせの崩れを食い止めることができます。

しかし、咬合位がズレた“二次性障害の最終段階”まで進むと、筋肉や顎関節に負担が及ぶ三次性障害へ移行してしまいます。

痛みがない時こそ、もっとも治療に適したタイミングです。

噛み合わせの変化がここまで大きな影響を与えるとお伝えしましたが、実はこの“噛み合わせの変化”は義歯(入れ歯)が合わない原因の多くを占めています。

次回の第2回では、

・なぜ義歯が痛い・外れる・噛めないのか?
・義歯そのものより「噛み合わせ」が原因のことが多い理由とは?

について、わかりやすくご説明します。

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