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義歯治療の原点:祖父の経験から学んだ「噛むこと」の重要性と全身への影響

【医療情報】義歯治療の原点 〜祖父の義歯から学んだ「噛む力」の大切さ〜

人が「噛む」という行為は、食べる楽しみだけでなく、栄養状態、筋力、姿勢、会話、表情など、生活の基盤を支える非常に大切な機能です。歯科医師として学んだ今では、その重要性を医学的にも深く理解しています。

しかし、その原点は、私が歯科医師になる前に遡ります。

■ 歯科医師になる前、祖父は“合わない義歯”を長年使っていた

私が学生の頃から、祖父は長年同じ義歯を使っていました。しかしその義歯は決して合っているとは言えず、

・痛みを我慢しながら使う
・しっかり噛めない
・好きなものが食べられない
・表情や会話が減っていく

という状態が続いていたのを、家族として間近で感じていました。

当時はまだ歯科の知識が浅く、「義歯とはこういうものなのだろう」と思っていたのを覚えています。

■ 私が義歯に興味を持ち始めたきっかけは“祖父の義歯を分析したこと”だった

歯科医師を目指す中で、義歯の授業を受けるようになり、
「祖父の義歯は本当に正しく作られているのか?」
と疑問を持つようになりました。

実際に祖父の義歯を詳しく分析すると、
・噛み合わせのズレ
・適合不足
・咀嚼能力を落とす設計
など、改善すべき点が多く見つかりました。

この瞬間、私は初めて
“義歯ひとつで、その人の生活は大きく変わる”
という事実を理解したのです。

■ 歯科医師になり、祖父の義歯を新しく作り直した

歯科医師として技術を身につけ、私は祖父の義歯を改めて作る機会を得ました。

新しい義歯に変えた日、祖父の変化は想像以上でした。

・しっかり噛めるようになり、食事量が増える
・痛みがないため表情が明るくなる
・会話が増え、声もしっかり出る
・姿勢が整い、動作が軽くなる

“噛めるだけで、こんなに人は変わるのか”
——私は目の前でその事実を見て、強い衝撃を受けました。

歯科医師として患者さんの治療に当たるなかでも、同じように義歯で元気になる方は多くいます。
しかし、身近な祖父が見せた変化は、それまでのケースを超えるほど鮮明で、私の心に深く刻まれました。

■ 義歯治療は「歯そのもの」ではなく、“人生と健康を支える治療”

噛む力が不足すると、

・低栄養
・筋力低下
・転倒リスクの増加
・外出減少による認知機能の低下

といった全身の問題につながることが、多くの研究で分かっています。

祖父の変化は、この医科学的な事実を私に強く実感させました。

義歯は「最後の手段」ではなく、“生活を支える道具”です。

■ 祖父の経験が、私の義歯治療の原点になった

祖父の義歯をよく分析し、実際に作り直した経験は、
義歯治療の価値を誰よりも深く理解するきっかけになりました。

そして今でも私は、
「義歯で人生が変わる瞬間を支えたい」
「噛める力を取り戻し、元気になってほしい」
という思いを持って、毎日の診療にあたっています。

義歯でお困りの方、噛めないことに悩んでいる方、
“本当に自分に合う義歯が作れるのか不安な方”は、どうかお気軽にご相談ください。

噛む力は、人生を取り戻す力です。
その一歩を、丁寧に支えていきたいと思っています。

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