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第一大臼歯は「噛む力の主役」 ― 主機能部位から見えてくる歯の大切さ ―

第一大臼歯は「噛む力の主役」 ― 主機能部位から見えてくる歯の大切さ ―

最近、加藤均先生の『主機能部位に基づく実践咬合論』を読み返しました。
この本で改めて学べるのは、
「人はランダムに噛んでいるのではなく、決まった“主機能部位”を中心に咀嚼している」
という、とても重要な視点です。

◆ 主機能部位は“第一大臼歯に55%以上”集中している
加藤先生の研究では、
主機能部位(よく使う咀嚼位置)の分布の55%以上が第一大臼歯に集中している
ことが分かっています。

つまり私たちは、食事のたびに「第一大臼歯を主役として使い続けている」ということです。

第一大臼歯は
・最初に生えてくる永久歯
・最も厚く、強い構造を持つ歯
・一生の噛み合わせの基準となる歯
まさに「咀嚼の中心的存在」です。

◆ 第一大臼歯を失うと、他の歯に大きな負担がかかる
もし第一大臼歯を失ってしまうと、体は無意識に他の歯で代わりに噛もうとします。
しかし本来主役ではない歯に負担がかかるため、

・破折
・すり減り
・噛みにくさ
・他の歯のトラブル
・欠損の連鎖

など、さまざまな問題が起こる可能性があります。

第一大臼歯を守ることは、
「将来の噛みやすさを守ること」と同じ意味を持ちます。

◆ 当院では“主機能部位検査”を10年継続しています
当院では、義歯治療・インプラント治療の診断に主機能部位検査を取り入れており、
開始から約10年が経ちました。

10年続ける中で、患者さんごとの噛み方のクセや治療後の変化など、
教科書だけでは見えない多くの発見がありました。

主機能部位を把握することは、
義歯やインプラントの設計だけでなく、
将来のトラブル予防にも大きく役立ちます。

◆ まとめ:第一大臼歯は“一生のパートナー”
第一大臼歯は一生を通じて咀嚼を支える重要な歯です。
虫歯にしないこと、欠損した場合は適切に回復することが、
将来の食べやすさと健康な噛み合わせを守る鍵になります。

噛みにくさや欠損でお困りの場合は、
主機能部位の検査を踏まえた治療で、
最適な方法をご提案いたします。

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