ブランカ歯科が義歯治療に力を入れているのは、単に「噛めるようにする」ためではありません。
義歯は、その人の健康寿命を大きく左右する医療だからです。
私自身、このことを実感したのは身内の体験からでした。
かつて祖父が体調を崩し、食が細くなった時期がありました。
良い義歯を作り直したことで、食欲が戻り、みるみる元気を取り戻したのです。
食べることができるようになると、表情や会話も豊かになり、まるで若返ったようでした。
その変化を目の当たりにして、義歯は「食べるための道具」以上の存在だと強く感じました。
一方で、患者さんの中には、義歯が合わずに体調を崩された方もおられます。
噛めない、外れる、痛い――そうした不調が続くと、食事量が減り、
結果的に体力や意欲まで低下してしまうことがあります。
「入れ歯が合わないだけで、ここまで元気を失うのか」と痛感し、
20年以上前から義歯と全身の健康の関係について深く学ぶようになりました。
現在では、噛む力が脳の血流を保ち、認知症予防にもつながるという研究が数多く報告されています。
義歯をきちんと作り、きちんと使うことは、
単に「噛む」だけでなく、体と心を元気に保つ治療なのです。
義歯治療というと、「入れ歯くらいなら簡単にできる」と思われがちですが、
実際はとても繊細で、患者さんと術者が一緒に時間をかけて向き合う必要があります。
「なんとなく噛めればいい」ではなく、「心から快適に噛める」ことを目指すのが本当の義歯治療です。
これからブランカ歯科の医療コラムでは、
義歯と健康、噛む力、そして生活の質の関係について、
できるだけわかりやすく発信していきたいと思います。
義歯を通して、皆さまの“元気な毎日”を支えるお手伝いができれば幸いです。