第1回では、歯を失ったり噛み合わせの接触が変わることで、
少しずつ「噛む位置(咬合位)」がズレていくことをお伝えしました。
この咬合位の変化は、初期のうちは痛みも違和感もほとんどありません。
そのため、多くの患者さんは“自覚しないまま二次性障害に入っている”ことが少なくありません。
ところがこの状態のまま歯が抜けると、
ズレた噛み合わせに合わせて義歯が作られてしまうことが非常に多いのです。
義歯が合わない原因は「義歯そのもの」ではないことが多い
本来は、歯を失った時には
・今どの位置で噛み合わせが安定しているのか
・二次性障害に入っているかどうか
を検査して確認する必要があります。
しかし実際の保険診療では、このような咬合検査はほとんど行えません。
その結果、
・歯の位置がズレたまま
・咬合位もズレたまま
・欠損部に義歯だけが作られる
というケースが非常に多くなります。
このように噛み合わせが補正されないまま義歯が作られると、
義歯が本来の位置で機能できません。
患者さんは、
・義歯が痛い
・外れる
・噛めない
と感じますが、その原因は義歯そのものではなく、
“義歯を支える土台である噛み合わせの変化”にあることが多いのです。
見た目では変化がわからないため、誤解が生まれやすい
噛み合わせのズレはレントゲンにも映らず、
患者さん自身が気づけるものでもありません。
だからこそ
「義歯は合わないもの」
という誤解が生まれてしまうことがあります。
次回(第3回)へ
義歯が合わない理由の多くは、
噛み合わせの変化=二次性障害が進んでいるかどうかで決まります。
第3回では、
“その二次性障害の段階をどのように検査して調べるのか?”
についてわかりやすく解説します。
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