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第2回 インプラントはどれくらい持つ?寿命と長持ちの条件

インプラント治療を考えた時、

多くの方が気になるのが、

「どれくらい持つんですか?」

という疑問です。

確かにインプラントは保険治療ではなく、
決して安い治療ではありません。

そのため、

「長持ちするのか」

は非常に重要な問題です。

実際の診療でも、

「せっかく入れるなら長く使いたい」

と話される患者さんは非常に多くおられます。

結論から言えば、

インプラントは適切に管理されれば、
長期間安定して使える可能性があります。

実際、
10年以上機能している症例も珍しくありません。

一方で、

数年でトラブルが起きるケースもあります。

では、

この違いはどこから生まれるのでしょうか。

今回は、

インプラントの寿命と、

長持ちさせるために重要なポイントについて、

できるだけわかりやすくお話したいと思います。

■インプラントは「人工物」でも生体と深く関係しています

まず大切なのは、

インプラントは単なる機械ではない、

ということです。

確かに人工材料を使っていますが、

実際には、

・骨
・歯ぐき
・噛み合わせ
・筋肉
・清掃状態

など、

体の環境と密接に関係しています。

つまり、

「入れたら永久にもつ人工歯」

ではありません。

天然歯と同じように、

使い方や管理状態によって寿命は変わります。

これは患者さんにとって意外に感じられることがあります。

最近では、

「インプラント=一生もつ」

というイメージで紹介されることもあります。

しかし実際には、

“どう維持していくか”

が非常に重要になります。

■長持ちの鍵は「骨との結合」

インプラントでは、

骨としっかり結合することが非常に重要です。

この結合によって、

噛む力を支えられるようになります。

これを

「オッセオインテグレーション(骨結合)」

と呼びます。

現在のインプラント治療は、

この骨結合の考え方が大きな基礎になっています。

ただし、

骨と結合したからといって、

永久に安定するわけではありません。

例えば、

炎症が起きたり、

強い力が加わり続けたりすると、

周囲の骨が少しずつ減少していくことがあります。

つまり、

「埋める技術」

だけではなく、

「維持する技術」

がとても重要なのです。

■インプラント周囲炎とは?

インプラントの代表的なトラブルに、

「インプラント周囲炎」

があります。

これは、

天然歯でいう歯周病に近い状態です。

インプラント周囲に細菌感染が起こり、

歯ぐきの炎症や骨吸収が進んでいきます。

進行すると、

最終的にはインプラント自体を支えられなくなることもあります。

特に注意が必要なのは、

インプラントは天然歯と少し構造が違うことです。

天然歯には、

歯根膜という組織があります。

しかしインプラントにはありません。

そのため、

炎症が進行すると、

比較的急速に骨が減少するケースがあります。

つまり、

「虫歯にならないから安心」

ではなく、

別の管理が必要になります。

■実は「よく噛める」ことが負担になることもあります

インプラントは、

非常によく噛める治療です。

これは大きなメリットです。

しかし一方で、

強く噛めるからこそ、

過剰な力がかかることがあります。

特に、

・食いしばり
・歯ぎしり
・強い咬合力

がある方では、

骨や部品に負担が集中することがあります。

天然歯には歯根膜があり、

ある程度クッションの役割をしています。

しかしインプラントでは、

力が直接骨に伝わりやすい部分があります。

そのため、

単に「入れる」だけではなく、

噛み合わせの設計が非常に重要になります。

実際、

長期的に安定している症例では、

噛み合わせが安定していることが多い印象があります。

■清掃性は非常に重要です

長持ちのために、

最も大切と言ってもいいのが、

実は「清掃」です。

どれだけ高性能なインプラントでも、

清掃が困難であれば、

炎症リスクは高くなります。

最近では、

「固定式」
「よく噛める」
「見た目がきれい」

といった部分が強調されることがあります。

もちろんそれらも大切です。

しかし実際には、

・掃除しやすいか
・将来管理しやすいか

が極めて重要になります。

特に現在は、

人生100年時代と言われています。

60代で入れたインプラントを、

80代、90代でも管理していく可能性があります。

若い頃は問題なく掃除できていても、

高齢になると、

手の動きや視力の変化などで、

清掃が難しくなることがあります。

そのため当院では、

「今だけ」

ではなく、

「将来も維持しやすいか」

まで考えるようにしています。

■喫煙や糖尿病も影響します

インプラントは、

全身状態の影響も受けます。

代表的なのが、

・喫煙
・糖尿病

です。

喫煙は血流を悪くし、

治癒を妨げる要因になります。

また糖尿病は、

炎症や感染リスクに関係します。

もちろん、

すべての方が治療できないわけではありません。

しかし、

リスクを理解した上で進めることが重要です。

最近では、

インプラント治療の技術自体はかなり進歩しています。

だからこそ逆に、

「その後どう維持するか」

の重要性がさらに高まっているように感じます。

■「高級なインプラントなら安心」ではありません

インプラントメーカーには様々あります。

当院でも、

症例に応じて複数のインプラントシステムを使い分けています。

ただし、

大切なのは、

単にメーカー名だけではありません。

・骨の状態
・噛み合わせ
・清掃性
・メンテナンス
・将来の修理対応

まで含めた総合的な設計が重要になります。

どんなに優れたインプラントでも、

管理が難しければ、

長期的には問題が起こることがあります。

逆に、

適切な設計と管理が行われれば、

非常に長期間安定して機能することもあります。

■「できる」だけではなく「維持できる」が大切

歯科治療では、

「治療できるか」

だけでなく、

「長く維持できるか」

を考える必要があります。

これはインプラントに限りません。

例えば、

非常に複雑な治療をしても、

・清掃困難
・修理困難
・メンテナンス困難

であれば、

長期的には問題が起こることがあります。

そのため現在では、

単に固定式を目指すだけではなく、

・清掃性
・管理性
・高齢化対応

まで考えた設計が非常に重要になっています。

■インプラントは「入れた後」が本番です

インプラントというと、

どうしても

「手術」

のイメージが強いかもしれません。

しかし実際には、

本当に重要なのは、

その後どう長く付き合っていくかです。

そして最近では、

「少ない本数で機能させる」

という考え方も非常に重要になってきています。

次回以降は、

インプラント手術の実際や、

現在のインプラント治療の考え方についても、

さらに詳しくお話していきたいと思います。

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